素晴らしいレコードジャケットの世界[前編] (Sir Y.O.K.O PoLoGod.+Kuma the Sureshot)

『Sure Shot Structures/SSS BOX』インタビュー企画の第一弾はパイロット版的な1回目。本製品プロジェクト代表熊(Kuma the Surehot)氏と本企画のナビゲーター兼インタビュアーを務める 私、横尾 秀俊(PoLoGod.)の対談からスタート!


今回は『Sure Shot Structures』ブランドの最初の商品となるディスプレイレコード収納家具「SSS BOX(トリプル・エス・ボックス)」の開発秘話や、B2Bさながら交互にレコードを紹介し合ったり、インテリアへのこだわり等々を深く語り合いました。お時間の許す限り是非お読みください。


横尾(以下Y):Sure Shot Structures(以下 SSS)』ブランドより2022年6月に販売開始したディスプレイレコード収納家具、「SSS BOX(トリプル・エス・ボックス)」。その発売と同時にスタートする本インタビュー企画ですが、各界のレコード愛好家やアーティスト、DJなど様々なゲストをお呼びしてレコードとそのジャケットの魅力、レコード収納にまつわるお話を聞いていくという趣旨の内容になっております。そこでナビゲーター、インタビュアーとしてが選ばれた訳ですが、選んで頂いた理由はありますか?


写真 : 横尾 秀俊(PoLoGod.)



熊(以下K) :横尾くんと元々知り合ったのもレコード屋だし、MOUSOU PAGERとして一緒にレコード作っているし、会うとレコードの話をずっとしてるし、、レコードを通じて一生涯の友人になるだろうなあと思っています。ココナッツディスクからマンハッタンレコードで働いていて、事業としてもDJとしてもレコードを媒体に色んな人とのつながりを持ってるんでナビゲーターとして、幅広い人脈からゲストの人選をお願いできたらと思っているし、ゲストの方からいろんな話を引き出して欲しいなっていうのもあって横尾くんにお願いしました。


Y : 僕よりも長くレコード屋さんで活躍されてる先輩方も沢山いらっしゃる中で僕をチョイスして頂いたのはとても嬉しいですね。まぁ元々知り合いだし、同じグループのメンバーだしってのもあるとは思いますけどとても良いプロダクトに仕上がっていると感じています。本プロジェクトに関われることがとても嬉しいです。


K:横尾くんと知り合った、今は無きココナッツディスク代々木は、DJの方だけでは無くレコードを買い求めに来るお客さんもたくさんいましたよね?先日ココナッツの吉祥寺店に行った時も初めてレコードを買う様子のお客さんもいて、レコード文化の入り口としても機能している素晴らしいお店だなぁと改めて感じました。ココナッツディスクで働いていた期間は、色んなお客さんと繋がりがあったんだろうなぁと思いました。現職場のマンハッタンレコードはどうですか?


Y:そうですね〜 今でもマンハッタンレコードのお店に立つこともしばしばあるんですがレコード人気とも言われてますがやっぱり若い方もよく来るようになって、下は高校生位からジャンル的には古いものもよりは新しいものが多いですが1枚、2枚買ってく光景は多く見る様になりました。4〜5年前のココナッツ時代に比べても増えた印象もあります。

 

K:我々が買い始めた頃って情報も少なかったからジャケ買いとかしてたじゃないですか?今でもジャケ買いする人っています?

 

Y : ジャケ買いしてるかどうかは正直わからないですが若いビートメイカーだったりDJは僕らの頃と変わらずフュージョンやソウルはジャケ買いでも外さないだろうって予想はあるのか試聴無しで購入するパターンもあります。また、主催しているTOKYO RECORD MARKETでの出店では300-500円のお求め安い価格帯のレコードを主に出品してるんですが女性の方は「カワイイ」と言って数枚ピックして購入する方もいるのでやっぱりジャケ買いする方も多いでしょうね。一昔と違ってレコードそのものの存在とかが面白いのかも。昔に比べて変わったなと思ったのは男の人は「かっこいい」みたいの目線だったのが男女共通して「カワイイ」に変わったのは今っぽいなぁと思います(笑)

 

K : 「SSS BOX」は「かわいい」とか「かっこいい」っていうレコードジャケットをディスプレイしてってのがコンセプトな商品になっていて、横尾君の言っている『レコードジャケットに対する今っぽい感性』にマッチするかなぁと思っています。


Y : なるほどね。今は横尾家で木製の「SSS BOX(SSS-500)」を実際に使わせてもらってますが、この商品のデザインの特徴としては箱の上にレコードジャケットを飾り、天板を置くことで額装された様になっていますね。そもそもこのアイデアを商品化したかったところが起源になる訳ですよね?


K : そうそう。家でプラスチック段ボールのレコードケースに、移動しやすいようにキャスター付けて、上にレコードを乗っけて、アクリルの天板を付けてテーブルとして使ってて、それを横尾くんと同じMOUSOU PAGERのメンバーのshowgunnさんに見せて「これ(商品にしても)面白いんじゃないですか?」って意見をもらったところが始まりですね。

僕は二人の感覚を信用してますので。


Y : そうそうそう。熊君の家にライブの練習か何かしに行った時に「これ作ってみたんだよね」みたいなところから発展した形ですよね。


K : 作り込んでいった結果、きちんとした家具同様に堅牢に作り込んだ木製のものが3機種、エントリーモデルとして値ごろ感のあるプラスチック段ボール製全4色もあります。使い分けができる様なラインナップを揃えて今回発売することにしました。

Y : 大きく分けると木製、プラスチックダンボールの2種類ですね。ヘヴィーコレクター層、DJ層、レコードを買い始めた入り口の層、幅広く使ってもらえそうだね。それでいよいよ発売になる訳ですがここまでどのくらいの月日がかかりましたか?最初の頃からずいぶんマイナーチェンジを繰り返した印象があるけど


K : 試作から考えたら9か月位ですかね。ここにくるまでにも紆余曲折あって、横尾くんからもアドバイスをもらったけど、ボックスを積み重ねられる様にしたらどうかとか天板はアクリルだけじゃなくてガラスも選べたら良いんじゃないかとかきちんと角丸にして等、、、いろいろアドバイスをもらいながら機能を詰め込んでいった感じですかね。その度に試作して、、ターゲットの一人でもある横尾くんに意見もらいながら修正しながらでしたね。1人だとちょっとズレた方向に行ってたかもしれない(笑)


Y : 役に立てたならよかった(笑) まぁ、熊くんが好きではじめている事だしあまり口出しするのも悪いかな〜と思った事もあったけど結果的に良かったです。


K : DJだけではなくてコレクターの目線もあってレコードを介していろんな人との繋がりを持っている横尾くんの商品に対する意見はズレてないって思った。


Y : あー だったらよかった(笑)


K : 前置きが長くなりましたが、、そんな横尾くんと僕で「SSS BOX」にディスプレイしたいレコードを選んできているので、順にご紹介させて頂きましょうか。折角なんでB2B形式で交互に紹介して行きましょうかね。



Y : そうですね。やりましょう。今後続けていく本インタビュー企画の中でこの話は共通してお話を聞こうかなと思っている項目の1つでして、ゲストの方々からご紹介して頂く名盤、珍盤、奇盤なのかレア盤なのかわかりませんが楽しみの一つでもありますね。選盤してて気が付いたけど、まぁ長いことレコードを買ってきてるのでそれなりに良いレコード持ってるんですが軽く選んでみてもやっぱ30枚位。15分ちょっと選んで30枚ですから30秒に1枚は抜いてるって考えると厳選して実際5枚は少ない!(笑)


K :(笑) まぁそれでも今回は5枚ぐらい紹介していこうと思ってます。それこそMUROさんやDLさんが昔に雑誌で紹介していたけど自分が注目してなかったような日本映画のサントラとかあれは結構衝撃というかやっぱ凄いとこ買うんだとか思いましたよね。あの感じも良いですよね(笑)

Y : YouTubeでサクッと聴けないし、買わないと聴けない時代は今思うとちょっと大変だったけど。。でもまぁそういう感じの目線もちょっと混ぜつつやっていきましょう!

 

Y : では最初は代表からお願いします。

 

K : 僕自身、ちょっと前まではレコードを部屋に飾るみたいなことはしてなくて整然としてると言うよりは雑多にものがあるみたいな感じの部屋に住んでて、、


Y : そうですね。10年前くらいですか?高円寺時代の部屋はいわゆるDJの部屋っていうかDJで頭いっぱいで忙しい人の部屋みたいな感じの印象でした(笑)


K : 笑 そうだよね。生活の中に良いジャケットを飾るみたいな感覚というか余裕というか、がちょっとなかったんですけど、そんな中ハッとした出来事がありまして。またMUROさんの話なんですが、、MUROさんのお子さんが生まれた時に赤ちゃんジャケを何枚か飾った写真をインスタグラムに挙げて喜びを表現してらっしゃってて、とても嬉しかったんだろうなって言うのが本当に伝わってきて、何て素晴らしいんだ!と思って。その時にMUROさんが飾っていた何枚かの中の1枚を最初に紹介したいな、と。


Y : なるほど。それでこの一枚。これは「Bobbi Humphrey – Satin Doll」ですねBLUE NOTEから出ている名盤。Mizell Brothers絡みで内容も素晴らしいですよね。ジャケも赤ちゃんが目をぱっと見開いた印象的な写真が使われていますね。


K : なによりも今の心境をジャケットに置き換えて飾るだけで伝えるってそういう感性を教わったきっかけのレコードですね。


Y : うわぁーそこまで考えて選んでるのかぁ〜(笑)僕は割と家具の相性メインで考えてるかもしれないです(笑) 

 

K : 家具との相性ももちろん!重要な要素かなと思います!ちなみに横尾くんのご自宅はレコードとか機材部屋は見る限りナチュラル系の家具で統一されている感じですかね?

 

Y : そうですね〜 基本は木製家具が好きですね。テイストとしてはアメリカンアンティーク風のもの、スチールや工業物が好きです。色んな場所に買い回りをするので出会いがあれば連れて帰る感じで結構ゴチャゴチャしてますが好きなテイストは一環してると思う。レコードに関しては場所によって全然棚が違うかも。入荷する量も多かったりしたら継ぎ足しで買ってるのでIKEAの棚が多いです。それと制作部屋はMUROさんからのお下がりのLEX BOXです。LEX BOXは継ぎ足しで買えるのでシンプルで使い勝手が良いですね。

K : なるほどね〜 では横尾くんのチョイスは?


Y : 僕はまず「村松健 - Still Life Donuts」。これはね、Illicit Tsuboiさんが愛して止まないアーティストの一人として伺った、某のラップグループの某Remixを知ってる方ならピンとくる曲が入ってるJAZZ/FUSIONアルバムです。



K : これは他の某日本語ラップグループのネタも入ってますよね。すごくかっこいいアルバムです。


Y : ほんと最後の最後でこれいいじゃんと思ったんだけどシチュエーション的なものを考えていくとカフェとかでこのアーティスティックな写真を使ったフードジャケットとかってすごい目を引くような感じがするんでこれをチョイスしました。


K : これは見つけたら安いんじゃないすかね。


Y : そんなに高くないですね。1000円、2000円以内で買えるよね。


K : 次は「川崎遼さんのJUICE」。これはみかんの皮を剥いた中に配線基盤らしきものが見えているDOPEなカッコいいアートワークで、内容はドラムブレイクやらDiamond D等のネタなんかも入っているJAZZ FUNK アルバムですね。



Y : うわー食べ物繋がり! 好きだよねChain Reaction的な(笑) しかも結構なレア盤!! 


K : 昔から食べ物ジャケ、特に野菜とか果物のジャケはハズレがないって言うまことしやかな話もありますよね。このアルバムはサンプリング系のビートメーカーの中でもその最たる例という感じですよね。


Y : 確かに。川崎遼さんはアメリカでも活躍されたJAZZギタリストでありシンセサイザーとかMoogとの親和性も高かった方ですね。お次は、まぁ定番ではありますが山下達郎さんの「Spacy」とCity Popブームの火付け役となった「For You」です。

今では人気盤中の人気盤で国内外問わず人気になった作品で間違いの無い内容に加え完璧なアートワークも人気の秘訣では無いでしょうか。「Spacy」はタイトなドラムブレイクがフロアに妙な静寂をもたらす(笑)「Dancer」を収録していたり「For You」は「Boo feat MURO / Smile In Your Face」のネタとして知られる「Sparkle」を収録していたりDJ人気が元々高いアルバムですね。


 

K : やっぱり実際に飾ってみると良さが際立つし、「For You」なんかは夏に飾りたい。今となってはきっと若い人からしたらすごくお宝だと思うからこういうのをきっとを飾りたくなる衝動に駆られるんじゃないかなって思いますね。


Y : 「Spacy」もパステルカラーで雰囲気がとても良い。エアーブラシのアーティスト、ペーター佐藤さんによるアートワークになりますがやっぱり引き込まれる。


K : 僕らの山下達郎さんのイメージだとやっぱSpacy」が強くて、For You」よりはやっぱり何かありがたみを感じてしまう。「Spacy」はレアグルーヴ的な解釈が入ってるというか。


Y : ソウルにほど近いと言うかこの時代に出てたUSのソウルを感じるよね。シティポップや和物は高くなっている状況ですけどもし見かけたら買っても良いと思います。ほんとにどっちも最高ですけど「Spacy」は本当にオススメです。


K : お次は日本を代表するシンセサイザー、Moogのスペシャリストといえばやっぱり富田勲先生ですね。アートワークも一貫してこのはテイストが多くて一貫してて本当にかっこいいジャケットばっかりです。これはタイトル「惑星」ですね。



Y :  未来的で宇宙的な、あっスペーシー繋がり(笑)


K :(笑) 内容もジャケの通り浮遊感のあるような世界がずっと続いてビートメーカー目線で聴くんですけどなんかもう抜きどころが無数にある。無数にありすぎて溜息ついて結局使わなかったり。(笑)


Y : もうなんかすごいですね。自分で演奏不可能な世界なので弾いた気になってMoogをお借りしてることあります(笑)


K : この辺はやっぱり海外のビートメーカーも使ってる方がいっぱいいますよね。


Y : むしろ海外での評価はかなり高いですよ。この盤じゃないけど某PAAKさんもサンプリングしてますし、本当アイデア次第でいいの作れるんですよね。味付けでちょっとシンセの音入れたいなとか1音貸して頂けますか?みたいな感じです。


K : 貸していただきたいって(笑) あとポイントとしてはリサイクルショップのジャンク100円コーナーの定番ってところですよね。あぁ、この店のジャンクコーナーにも素晴らしい宇宙が、と思って、ありがたく毎回買わせていただいてます。


Y : 個人的にもずっとシンセサイザー物は集めてて今世界的にも流行ってる日本のアンビエントとかシンセものの中でも中々出てこない盤を1つ紹介します。



K : おお、これは凄いジャケですね〜 一見風景に見えてよく見るとオープンリールに電源ケーブルが繋がってるって言う。狂った世界観。


Y : これはいわゆるアンビエントとかマインドミュージックっていう種の音楽でミュージシャンでもあり、タロットの占い師でもある辛島宜夫さん「水の巡礼歌」です。アンビエントやインテリアミュージックとか空間デザインされた音楽が流行した80年代はそれこそ坂本龍一さんとか細野晴臣さんなどがメジャーかもしれませんがこれはマニアックな部類に入りますね。内容は透明性を保ちつつも奇抜な音も入っていてめちゃくちゃいいです。個人的には多分トップクラスに好きなタイトルです。


K : これは凄いなぁ、、辛島さんがこのデザインを指示してたなら相当イカれてますよね〜 


Y : この手の音楽は本人の思想がカバーアートにも反映してるからディレクションは本人によるものだと思いますけどね。


K : 今聞かせてもらってるわけですが、とてもカッコいい!!次は、これもMoogの名盤とされる盤ですが「Hugo Montenegro - MOOG POWER」です。まぁ皆さん聴いたことのあるネタが入っていますが、脳味噌が見えててその部分がMoogになっているというクレイジーなジャケになってます。脳みその大半がMoogになっているのは改めて凄い世界観だなと(笑)


Y : 改めて本当にユニークな発想の盤だなと思いますよ。

 

K : この流れでちょっとお話しますが、こんな風に機材ジャケも楽曲制作に気合を入れる為に飾ったりするのも僕はとても好きで。

Y : 確かに!NOW PLAYINGみたいな感じで聴いているジャケを飾ったりとか次にサンプリングしたいレコードを飾るのもアリかも。ビートメーカーはサンプリングしたやつを入れておくとメモ替わりになるかも。「SSS BOX」はLP70枚ぐらい入るんで、プレイリストとかライブラリー的な棲み分けも出来ますね。


K : いいですね。不思議なものでそういう風にレコードを整理したり今の作業に関連するジャケットを飾っておくと頭がすっきりして、しかも高揚感が出る気がします。いろいろ捗る。


Y : だから最近突然デモ曲を何曲も送ってきたんだね(笑) 実際に卓上ミキサーのジャケットを飾ってますけど本当に機材があるみたいで面白いね。ここまででチョイスした数枚だけでも、既に相当面白いし絵になるかんじですねー。

では後半行ってみましょう!

(次回 後半に続く)

 

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