「SSSボックス」のコンセプト「音楽をより豊かに楽しむ=聴覚だけでなく視覚からも音楽を楽しむ」を元にDJの皆さんやアナログレコード愛好家の方々をゲストにお招きし、お気に入りのレコードと「SSSボックス」にまつわるトークを対談形式で展開する企画。
都内のクラブのみならず配信を軸にDJ活動を精力的に続けるudasoulさんの後編です!前編に続き、udasoulさんのミュージックラバーの側面に更に迫るインタビューになりました。是非ご覧ください。
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Kuma:udaくんらしい興味深いチョイスの2枚でしたが、引き続きお願いします!!
udasoul:3枚目は『MTUME/JUICY FRUIT』ですね
PoLoGod.:これは間違いないね!
Kuma:これudaくんのイメージあるなー!
udasoul:ドラムブレイクでいうと「IMPEACH THE PRESIDENT」、「FUNKY DRUMMER」などなど、色々あるけど僕はやっぱりMTUMEの「JUICY FRUIT」が世界で一番カッコいいと思ってる。
PoLoGod.&Kuma.:おお!!
udasoul:これ最初エムトゥーメイって読めないよね(笑)
Kuma:ムチュームね(笑)
udasoul:やっぱりこのドラムブレイクが好きなんですよ。R&B曲との相性もねピカイチだし。
Kuma:uda君はこの辺の1980年代のSOUL,FUNKをめちゃくちゃ買ってるイメージありますね。
udasoul:TK好きっていうのとも共通する感覚もあり(笑)
PoLoGod.:あぁ〜なるほど!
udasoul:このLPに入ってる「After Six Mix Juicy Fruit Part 2」これがいいんだよね!
Kuma:ジャケットも割とストレートな印象をもってたけど、改めて見るとカッコいいですね!新発見。タイトルの文字とかもいいですね。
PoLoGod.:MTUMEってMTUME JMOJA ENSEMBLE時代からしても全部カッコいいよね。
udasoul:そうそう、初期のFUNKも80年に入ってのこの辺りも全部かっこいい。
Kuma:ミュージシャンとして完璧な類の人たちなんですよね。初期作品とかは RARE GROOVE的な要素もあってそういう評価もされているし。
PoLoGod.:サンプリングソース的にもこの辺りの1980年代の音って再評価されたりしますね。
udasoul:DAM-FUNKとかウェッサイとか西海岸のサンプリングミュージックとか、最近のXL MIDDLETONとかね。ライトメローとか80'S CITY POPとかにも近い質感というか。
PoLoGod.:そうですね。
udasoul:このストレートなジャケね。衣装だけ一応合わせて、写真撮って一発OKみたいな(笑) 改めて見ると味があるというか。
PoLoGod.:一昨年にはリーダーのJAMES MTUMEが亡くなってしまいましたね。今一度じっくり聴いてほしい一枚ですね。あ、ジャケットにはわざわざ"『エムトゥーメイ』と読め"って書いてあるんですね(笑)
udasoul:ほんとだ(笑)
何回も言うけど(笑) このブレイクは最高ですね!「The Notorious BIG– Juicy 」で知った感じですね。最高!!
※
-譲り受けたJAZZレコード
udasoul:次の4枚目は、妻のお義父さんからもらったレコードを紹介させていただこうかなと。
PoLoGod.&Kuma.:おお!!よろしくお願いします!
udasoul:これは後々調べたらびっくりした盤でして。和ジャズですが内容もとても良いし、どうやらめっちゃレアらしくて。『板倉克行TRIO/HONEY SANBA』です。
※後ほど知りましたが、BBEから2021年にリリースされた「J-Jazz Vol. 3: Deep Modern Jazz from Japan」に美しい旋律のタイトル曲「HONEY SANBA」が収録されていました。
PoLoGod.:おぉこれは、、この自主盤っぽい佇まいは。。
udasoul:お義父さんは今80歳前位なんですけど、たぶん1970年頃からずっとJAZZのレコードをコレクションしているような人で、当時の新譜にあたるようなものをコツコツコレクションしていて。
ある時、僕が「レコード好きなんです!」って話したら「じゃあ、レコードあげるよ」って100枚ほど貴重な盤ばかりを譲ってもらって。で、その中にこれも混じっていた感じ。
PoLoGod.:なんとも羨ましいお話!!
udasoul:僕あんまりJAZZは詳しくないから、これはどんなレコードなんだろうって調べていたらびっくりするようなレアものも沢山混じっていて。その中でもこれは和JAZZの貴重盤だったんだよね。
PoLoGod.:この盤をリリースしてるJOHNNY'S DISK RECORDって岩手のジャズ喫茶「開運橋のジョニー」のオーナーがやってたジャズ・レーベルで。このレーベルのレコードは結構レアもの、カルト的な人気のあるものが多いんじゃないかな〜
udasoul:内容はモダンJAZZでとてもいいんですよ!
PoLoGod.:最近また自主盤の和JAZZとかが注目されている流れもありますね。FOLKとかPSYCHEDELICとかの自主盤評価から再発の流れはちょっと前にあったけど、今は和JAZZとかJAZZ FUNK/ROCKの自主盤再発もブームになりつつあって面白いですね。この『板倉克行TRIO/HONEY SANBA』もそんな一枚になるんでしょうね。
udasoul:当時リアルタイムで買ってた人から譲り受けたものの中に入っていたってことがとても意味深いなぁと思っていて。レコード屋さんで探し当てて手に入れたってのとまた違う嬉しさがあって。
PoLoGod.&Kuma.:そうですね!!
(B2を聞く)
PoLoGod.:このB2「三陸鉄道リアス線の旅 又は銀河鉄道の夜」ってタイトルもカッコいいし、楽曲も素晴らしいですね!FREE JAZZの要素もあるんですね。ベースが凄く良い鳴りだな〜 ピアニストのリーダー作なのにこのベースの存在感とか。自主盤ならではのこだわりみたいな熱も感じられて素晴らしいですね。
Kuma.:表ジャケは岩手の山ですかね? 裏ジャケもとてもいいですね。これ陸前高田と関係ある絵なんですかね。しかしこのストーリーは音楽配信とかではなかなかたどり着けない一期一会なレコード出会いの醍醐味が詰まってますね。
udasoul:1984年の作品だけど、ジャケットもCTIっぽい雰囲気もあって良いんですよ。
(中ジャケなどを見る)
Kuma:インナーに岩手の地元の商店街の広告が入っていたり、すごいなぁ〜広告掲載の経緯を想像するとディープすぎる(笑) 岩手鉱業株式会社めん羊部・・・
PoLoGod.:(笑) こういうのがきっかけで自主盤の世界とかにどっぷりとはまっていったりするんだろうな!! これは沼への入り口のような感じがしますね。Kuma君が入り口に立ってるのが見えますね(笑)
Kuma:はい、立ってますね。
全員:笑
(更に聞く)
Kuma:ジャケットは絵画なんですね。加地保夫さんという方。今、調べていますけどこの加地さんという方、今でも都内で個展をやっていたりとか活動されている方ですね。愛媛で生まれて陸前高田に一時期住んでて、今は栃木県に住んでいるみたいですね。風景画をアブストラクトに解釈し表現されているような作風でカッコいいですね。
この加地さんと板倉さんのストーリーを想像するのも面白いですね。一時期何かの縁で陸前高田に移り住んで、そこでまた何かの縁で板倉さんと知り合って、「地元で絵をかいてるんだ」、「JAZZをやってるんだ」みたいな会話がジャズ喫茶「開運橋のジョニー」で行われたのかなぁとか(笑)
udasoul:沼ですよ(笑)。改めて今回の企画でジャケットの普段見ないような情報も深堀すると面白いですね。
PoLoGod.:Kumaくん、イッちゃってますね(笑)
udasoul:これが最後の1枚。僕は無人島に一枚持っていくならこのレコードと決めてます。『THE ISLEY BROTHERS/3 + 3』です。僕にとってスペシャルな1枚。「That Lady」から始まって「If You Were There」も大好きで「Summer Breeze」、「The Highways Of My Life」も入ってるし、収録曲全部好きだし、アルバムとして完璧なんだよね。メローな曲も楽しい曲も季節の曲もさらにはサンプリングソースとしても、バランスが素晴らしい。
Kuma:これは1973年リリース作品。やっぱかっこいいですねー
udasoul:アイズレーはSOULのアーティストの中でも一番好きかもしれない。
PoLoGod.:これを最後に選んだ大きな理由は?
udasoul:もう最後に聴く1枚というか、これさえあれば飽きない1枚というか。アイズレーのジャケってかっこいいけどなんか面白いというか。全部一緒だ!って最初思ったし(笑)
PoLoGod.:確かに(笑)この盤との出会いは?
udasoul:もともとサンプリングソースとして入って、メローな曲が好きだったからアイズレーを知ったんだけど、どの曲も好きで。「THAT'S LADY」なんて近年だとケンドリックラマーがサンプリングしていたりするけど、もう曲としてすごいハッピーだしカッコいいし。それぞれの曲のそんな印象から、レコード屋でアイズレーあったら全部買おうみたいな時期があって。その時に購入したうちの1枚ですね
PoLoGod.&Kuma.:なるほど〜
Kuma:横尾さんも前このインタビューで言ってましたけど、この辺りのマスターピースというか名盤って今、腰を据えて改めて聞くと新しい発見が毎回あってとてもいいですね。ジャケットもね。こういう構図のものってなかなかこんな風にかっこよくならないというか
PoLoGod.:ゲートホールド仕様なんだけど、何かタイトルとか楽曲の詳細とかではなく、ただ表ジャケのメンバー個別の写真、メンバー紹介というね(笑)
Kuma:この無駄使い感というか、憧れますね(笑)
PoLoGod.:いい塩梅の手抜き感が(笑)
udasoul:表ジャケと衣装も同じだもんね。ライブ衣装なんですかね。ライブの日にジャケット撮影もして中ジャケの撮影もして一日で終了みたいな(笑)
PoLoGod.:ちょっと話それますが、ケンドリックラマーはこの「THAT'S LADY」使いとか昨年の「THE HEART PART 5」でのマーヴィン・ゲイ「I WANT YOU」使いだったり、名曲をフューチャーして現代・未来に繋げていこうということを意図的にやってて素晴らしいですよね。意味のある引用・サンプリングを新しい解釈でやってて、だからより永遠なものになってくるよね
(1曲目That Lady⇒2曲目Don't Let Me Be Lonely Tonightの辺りで)
全員:(大笑)この流れ!!
udasoul:たまんない!
Kuma:アイズレーはサンプリングという文化で考えると何度もリバイバル・再評価されているというか、定番としての「BETWEEN THE SHEETS」時代から、00年代にはJ DILLAが再定義したり、またケンドリックラマーがアップデートした使い方をしたり
udasoul:そういう意味でもマスターピースですね〜
Kuma:そういえばこのアイズレーも序盤のMTUMEとかも非常にudaくんらしいセレクトだなあと思いました。というのも結構印象的な出来事を覚えていまして。最初にudaくんとレコードを買いに行った際の話なんだけど、、下北沢のディスクユニオンでこの辺りの1970年代80年代の当時はもっと安かったSOUL、FUNKのレコードを引いちゃうくらい大量に買ってたことを覚えていて。
udasoul:学生の時からお金ないからシングルじゃなくて沢山曲が入っているアルバムを買うっていう習慣もあって、、
Kuma:そういう安くても良質なレコードをとにかくたくさん買ってる!って印象はありますね。ああこの人は本当にミュージックラバーなんだなあって、最初の印象としてありますね。ピックアップいただいた5枚を通して、改めてそんなセレクトだなぁと思いました。
PoLoGod.:一般的な感覚があるというか、そこまで高額盤だったりしなくてもお金をかけず、好きなモノは見つかるし楽しめるレコードがたくさんあるって感覚をもっているという。
Kuma:一方で、リサイクルショップでもこの辺りはわからないけど全部買っておこうみたいなディガー感覚もあるというね。
udasoul:(笑)
Kuma:今回はudalくんのルーツの話から、CITY POPの様な先見の感覚にも触れましたし、SOULにも触れつつお義父さんから受け継いだJAZZレコードのストーリーとか、人柄が伝わる内容になったかなと思います!ありがとうございました!!
-今後の活動について-
PoLoGod.:udaくんの今後の活動などはどんな感じでしょうか?
udasoul:過去のミックスCDを売ってるサイトを始めたり、毎週やってるTWITCHでのミックス配信も是非遊びにきてください〜
Kuma:udaくん配信はほんとに気取ってなくて、音楽愛とか人柄があふれかえっていてとてもいいんですよね。僕もよくBGMとしてもお世話になっています。カメラのアングルもちょうどよくて、ワンちゃんが見切れていたりして生活感もあってすごい良いんですよね!SSSボックスも毎回見切れていて光栄です!
udasoul:こちらこそありがとうございます!!
PoLoGod.:最後にSSSボックスへの要望はありますか?
udasoul:これって積み重ねは何段まで行けるんでしたかね?
Kuma:一応3段位までを推奨しています。どうしても重量級になるとキャスターの動きが悪くなるんで。
udasoul:なるほど。やっぱり床レコードは日々増えてるので、タイミングで2個目、3個目を検討します!
Kuma:ありがとうございます!是非よろしくお願いいたします。udaくんの様な素敵なレコード部屋で使って頂いてとてもうれしいです!改めてありがとうございます!!フローリングのカラーと差し色の濃い目の色だったり木以外の素材でもマッチするかと思いますので是非お願いします!!
PoLoGod.&Kuma:今日はありがとうございました!
※「THE NOTORIOUS BIG/JUICY」のレコードは「SSS-50GhettoHollywoodモデル」で画像掲載してみました。
HIPHOP生誕50周年時のTBSラジオ「アフター6ジャンクション『日本ヒップホップ界の重鎮たちが選ぶ“My No.1ヒップホップ・ソング”祭り!!』」でもGhettoHollywoodことSITE君がJUICYを選んでいて、選択コメントも超最高だったので、未聴の方は是非SPOTIFYのリンクから聞いてみてください!
この「SSS-50GhettoHollywoodモデル」もめちゃくちゃカッコいいオリジナルバンダナ柄のデザインですので、是非ご覧ください!限定50セットで残り15セットほどになっていますので気にしていただいた方は是非お早めにご検討ください。